認知症の義母を叱る・・第37話

要約

義母の錯覚でいまは同居していない家内の妹と娘を混同させて、娘が遅く帰ってくるからと、夜中、玄関の鍵を開けたのです。たまたま、開けたばかりのとき、私が居合わせたので施錠し直しました。そのとき、思わず叱ってしまいました。怒鳴るような暴力的な叱責ではないですが、少し、強めにやってしまいました。

本題

夜に玄関の鍵を開けようとしたので義母を叱りました。子供を叱るときよりは若干厳しくです。義母の反撃はありませんでした。叱ることは認知症であるがゆえにあまり意味がないと言われます。・・ですが私の場合、事と次第によって叱るときがあります。叱っても忘れてしまうので、叱ることは骨折り損のくたびれもうけかも知れません。でも、叱ります。

昨日の22時ごろ、私が風呂に入ろうと下に降りたら、パジャマ姿の義母が玄関から戻ってきました。寝てたはずなのに、まだ寝てなかったのか、と思いつつ「どうしたの?」と聞いたところ「○○ちゃんが帰ってくるから鍵を開けた」と娘の名前を言うのです。

もちろん、娘は所帯を持ってるから別のところに住んでるし、帰ってくるっていったいなんなんだ、と思いながら玄関に行くと鍵が開いていました。確か、1年前にも私が遅く帰ってくる夜に鍵が開いていたことがありました。

1年前のその日、いつものように鍵を差し込んで開けようとしたら、既に解錠済みで絶対無防備状態。泥棒でも強盗でも大歓迎みたいな・・。鍵が開いていた瞬間、義母だなと思いました。本人は家内から私が遅くなると聞いた瞬間、鍵を開けることを思いついたのでしょう。気を遣ったつもりだったようです。

そのときは、家内と相談してメインとサブの両方の鍵を掛けることにしました。それ以来、ときどきメインの鍵が開いていることはありましたがサブまでは手を付けられてなかったのです。ところが今回は就寝時のチェック前の出来事だったのでメインしか施錠されてなかったのです。とくに、暗くなってからはサブもメインと同時に掛ける方が正解ですね。

思わず、義母に「こんな夜中になんで鍵を開けるの?」「鍵はいつでも閉めてなきゃダメでしょう」と強めに叱りました。義母はしきりに○○ちゃんが帰ってくるから鍵を開けておかないと、と言い張ります。そのやり取りが面倒になった私は、大きい声で「夜中に鍵を開けたらダメなんだよ」と。

そのうち階下の異変に気付いた家内が降りてきたので顛末を説明し、玄関の補助ロック(3番目の鍵)を掛けました。今後は補助ロックを必ず掛けることにしたのです。私が遅い日には家内が掛けることに。義母は、普段、用心深いので夜中に鍵を開けることはまずありません。でも、今回は、勘違いというか妄想が現実に入り込んできたようでした。

義母は、気が利くと若いころから煽てられていたようなので、家内の妹と私たちの娘が一緒くたになり、娘が仕事から遅く帰ってくると勘違いしたようです。きっと気を利かしたつもりで鍵を開けたのでしょう。

家内の妹は結婚するまで同居していたので、義母は妹が勤めから帰ってくると40年以上前の記憶をベースにして、それが頭に浮かんだようです。そして妹と娘を混同し、今日の鍵開け事件に。

現代では家族の全員が合鍵を持つ世の中ですから、わざわざ鍵を開けておくことはありませんが、大正時代や昭和初期のしもた屋では合鍵なんぞ無かったのでしょうか・・それとも玄関の鍵は就寝前にだけ閉めていたのでしょうか・・謎です。

叱っても詮無いことですが、叱ってしまいました。叱らないで、気が利くねと褒めておいて、次からメイン、サブ、補助ロックの3本立てで施錠すれば良かったのかも知れません。・・正直、面倒くさいような・・でも、やるしかありませんね。義母のいまの認知症レベルだと知識は削除もしくは薄れていますが、義母の子供のころから育んだ性格は消えてません。

第37話を有り難うございました。

Tags :

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です