認知症の義母が帰りたいと言わない・・第54話

要約

義母のリハビリは順調に進んでいますが、骨折前の状態には戻らないようです。このままでは24時間の介助が必要になるかも知れません。そうなるといまのような自宅介護はかなり難しくなりそうです。

本題

義母が今回の骨折で家を離れて、もう、1ヶ月になります。今日も家内と見舞いに行ってきましたが、義母が家に帰りたいと言わないのです。もちろん、認知症が進んでいるせいだと思います。それにしても、認知症の進み方が急なのでいささか驚きを隠せません。

義母にとっていまの大事なお勤めはご位牌をお守りすることです。仏壇には、義父の位牌の他に祖父母や早世した家内の妹の位牌があります。日頃から仏さんを守るから家を離れないと言っていた義母が、それをすっかり忘れているかのようにただニコニコしています。

仏壇だけではありませんが、娘である家内とはもちろん一緒に暮らしたいでしょう。でも、骨折したことさせ忘れ、今日はちょっとここに診察に来たぐらいに思っているのかも知れません。義母の頭の中の時間は止まったままのようです。

時計を見ても、また、カレンダーを見ても、分単位か秒単位で記憶が消されるので、時間の経過がとてつもなく遅くなっているのかも知れません。そうなると新しい情報は即座に消されるので、義母の子供のころから始まって、いまから10年ぐらい前あたりまでの記憶だけが、明確な基本情報として保存されているのかも知れません。

おまけに意志決定する機能が超低下していますから、本能的な食べるとか寝るとかは要求しますが、他のことは自分で決められなくなっているようです。決めようとしないと言いますか・・。

年齢を考えるといまのままでは、介助なしにベッドの寝起きやトイレは無理そうです。もしかしたら、もう、自宅には帰らないかも知れません。可哀想ですが現実の時間はこのままの状態で、無情にもどんどん過ぎて行きます。いよいよ施設への入居の準備をすることになるかもしれません。

第54話を有り難うございました。

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