認知症の義母が夜中に・・第49話

要約

深夜に誰か来たと義母が玄関を開けようとしていました。声が聞こえたというのです。補聴器を外して寝ているので聞こえるはずがないのです。それでも確かに聞こえたと言い張る義母。

本題

深夜、玄関の方で音がするので、目が覚めました。何だろうと下に降りてみると義母が玄関の引き戸をガタガタと無理矢理、開けようとしていました。義母が開けられないように、鍵を三重に掛けているので空くはずがありません。

「どうしたの、こんな夜中に」と声を掛けると、引き戸の両端を持ったまま「誰か、訪ねてきて声が聞こえた」と言うのです。寝ているときは補聴器を外しますから、聞こえるはずがありません。もちろん、丑三つ時の午前2時ですから誰も玄関前には居ません。念のため、外を見回しても誰もいません。

「誰も居ないよ、こんな夜中に来るはずがないよ」と言っても「いや、確かに声がした」と言い張ります。補聴器を外しているから聞こえるわけがないよ、なんて言うと意固地になって聞こえたとなおも頑張りそうなので、それは言わないことに。

丑三つ時なら幽霊が有力なんでしょうけど・・。認知症のせいなのか、一度、思い込むとなかなか元には戻りません。戻るまでが一苦労です。正常なら夜中に来訪者が来たら気味悪がるはずです。ところが思考能力がズレズレなのでちっとも気味悪がりません。

気味悪がるどころか、むしろ、積極的に迎えようとさえします。それも草木も眠る時間に・・。考えようによっては、現実をまともに理解できないと逞しくなるものです。これだと、夜中に強盗が侵入してきても怖がらずに「どちらさまでしょうか」と普通に聞くかもです。

なおも、玄関の引き戸を開けようと頑張る義母を持て余していたら、良い具合に家内が降りてきてくれて、抵抗する義母をなだめて寝かしつけてくれました。確か、1ヶ月ぐらい前の0時ごろだったでしょうか、亡くなった義母の弟が訪ねてきたと、やはり義母が玄関を開けようとしたことがありました。そのときも家内と二人でなんとか寝かしつけたのですが・・。

時間が時間なので、多分、寝ぼけていたのでしょう・・でも、こんな幻覚症状のような寝ぼけ方をやり始めると、これからあり得るな・・と心配になってきます。トイレの粗相にしろ、今回のような幻覚症状にしろ、夜中に発生しますからね・・。私の認知症だった父も夜中に騒動を起こしてました・・。

これだけ騒いでも朝になればケロッとしてますからね・・この点、アルツハイマー型の認知症は尾を引かないのでさっぱりと面倒が無いので楽です。翌日もグダグダやられると、勘弁してくださいよ、の世界になりますから、それはそれで、いや増して面倒だと思います。

第49話を有り難うございました。

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