認知症の義母がトイレを水浸しに・・第50話

要約

義母がトイレを水浸しにしました。汚水が僅かの差で先に流れたようで、悪臭の中での後始末にはなりませんでした。義母はなぜ水を溢れさせたのか、忘れてしまったようです。訳の分らない時間が過ぎているのでしょう・・可哀想になります。

本題

義母がデイサービスから帰宅したばかりの夕方です。私がソファで新聞を読んでいると突然、家内が悲鳴のような怒ったような、そんな声を出して義母を叱り始めました。直ぐに声のする方角へ行きました。

なんと、トイレが水浸しになって、廊下へは水が溢れ出ています。ダアダアと流れているわけではないですが、水を搾り取るのが厄介だな、みたいな溢れ方です。家内が「どうしたのよ、こんなに水が・・」義母は「何が何だか分らないよ」と訳の分らない状態です。

義母のズボンの両方の裾は、水に浸かったように濡れています。汚水が混ざってないようなので少しホットしました。それからは肉体労働担当の私がひたすら幾枚かの雑巾を使って除水です。トイレの床に貼り付けたシートを剥がして、染みた水を拭き取りました。これからの季節、油断するとカビだらけになりますから。

家内は義母のスラックスを履き替えさせています。義母はしきりに「なんでこうなったのか、訳が分らないよ」と相変わらず同じことを話しています。私も食事前のトイレ掃除なので少し、イラついて「訳が分らないじゃないでしょう。おばあさんがやったんだよ」と強めに怒鳴ったりしました。

そのうち、義母はちょっと一回りしてくると言い残して、さっさと外へ出てしまいました。認知症とは言え、形勢が不利なことは分っているらしく、まさに、36計逃げるに如かず、です。水が溢れたと言うことは、便器の中の水が溢れ出たのだと思います。

義母はいつもデイサービスから戻ってくると、両方のポケットにティッシュを一杯入れているんです。それで、便器の水を出しているとき、それらを全部、流したんでしょうね。真相は謎です。なにしろ当事者の義母の記憶は削除されてしまったので。

汚水は流れた後に詰まったらしく、床を拭いていても悪臭を感じませんでした。それで、私は少しばかり落ち着いて来ました。乾いた雑巾で床を拭きながら考えました・・。今後の防止策は、デイサービスから戻ったらポケットをチェックするしかない、と。

デイサービスから帰ってくると、毎度のことながらボケがかなり進んでいるんです。危ない状態になっているのでまずは、あれもこれも疑ってみることですか・・。

100歳になっても、まだどうにかトイレが出来ますから、それだけでも大助かりです。なので、怒っても仕方ないと言うことでしょう。怒る前に厳重なチェック・・家内は賢明なので、義母を怒りはしませんでした。怒鳴った私がバツ印です。

第50話を有り難うございました。

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